緊急事態

 さて、予定よりかなり早く生まれた輝沙羅。体重は1,128gの未熟児。と言うことで、NICUに入ることになりました。もちろん保育器。と言っても、新生児室もNICUも同じところにあって、もちろん産科の中。
しかし、はづハハは全然動けない・・・初寿紀のときより、かなりしんどい状態になってました。産後二日目も一人で座るのもままならない・・・
この日の明け方、はづハハはすごい動悸に襲われた・・・これは、本当にやばい!と思うほどしんどくなってしまった。で、看護婦さんを呼んで先生も呼んでもらって診てもらったが、その時には既に治まってた。この動悸は、本当に死ぬかと思った・・・

 はづチチは、2〜3日前から仕事を休んでいました。初寿紀のときも大変だったのを覚えていたかららしい。いろいろな手続きをしに、走り回らなければならないからです。と言うことで、朝から来てくれたはづチチ。早速、輝沙羅のところへ行って様子を見てきてくれました。輝沙羅は、呼吸器は付けてるもののよく動いて元気一杯。そして、はづチチは諸手続きををしに走り回りに行ってました。そのころ、はづハハは貧血になっていたので輸血をしていました。
はづハハはというと、全く元気もなく・・・って事もないけれど、何とか頑張ってました。たまに、フリーズすることもあったけど・・・看護婦さんも何度か来てくれて「大丈夫?」って聞いてくれました。もちろんはづハハはその度に「だいじょ〜ぶ・・・」と答えてましたが、看護婦さんは「大丈夫ちゃうやろ〜」と思ってたらしいです。後から看護婦さんは言ってくれました「あの時(産後)は、ほんまに辛そうやったもんナ〜」と。

 さて、輝沙羅は思ったより元気でよく動いてます。でも、先生は「あれは反射です」といってましたが・・・
しかし、輝沙羅は先生達が思ってたより元気で、何とか軌道に乗りそうな感じです。さて、軌道に乗った時どうするか・・・考えなければなりません。
先生もいろいろ調べてくださったようで、大阪の都島にある市立の病院なら赤ちゃんの水頭症の手術が出来るとの事。そこを紹介しましょうか?と言われました。そして、その病院に連絡をとって貰って受け入れOKを貰いました。後は、本人の頑張り次第!

 産後3日目、この日ぐらいから体も少し楽になってきたはづハハ。まだ、一人で座ったりは出来ないけど・・・先生、そんなはづハハを見て一言「まだ、歩かれへんか?もう、歩いてもいいねんけどなぁ〜」まだ、導尿の管も入ってる状態で、点滴も両手に刺さってる状態で、首にも管を入れてる状態で酸素もしてる私が歩けるわけありません。「無理・・・」と、はづハハは先生にお答えしておきました・・・全く・・・
この日の午後から、体がだるい・・・看護婦さんがやってきて「おっぱい張ってない?」と聞かれた。「うんん???張ってる様な・・・」と、見たらパンパンになってとっても痛かった。「うわ〜これはしぼらなあかんな〜」と言うことで、緊急に搾乳。しかし、薬漬けになってるはづハハの母乳は輝沙羅に上げるわけにはいかない・・・と言うことで、搾乳するだけしておいててもらった。でも、あんまり搾乳するとどんどん母乳が出てくるらしく、母乳を上げることの出来ないはづハハは薬で母乳を止めるしかないのです。と言うことで、薬を飲み始めました。しかし、ちょっと遅かったようで熱が出てしまいました。

 そして、次の日の早朝5時、こんな時間に目覚めることのないはづハハは目が覚めた。「・・・パジャマ濡れてる???・・・」で、はづハハは思った・・・「導尿の管外れた?」と。濡れたパジャマを触ってみると、血・・・「う〜ん・・・血っぽいな〜・・・気のせいかな?」といろいろ考えて見たが、パジャマも冷たいしホンマに血やったら大変かな?と思って、看護婦さんが来るのを待っていた。(看護婦さんを呼ばないのは悪い癖です・・・)そして、点滴を見に来てくれた看護婦さんに「パジャマ濡れてるみたいなんですけど・・・」と伝えた。すると、看護婦さん「ちょっと見てみようか〜」と布団をめくってみると、パジャマが血だらけ・・・「ガーゼ交換しなあかんね!ちょっと待ってて!」と急いでガーゼ交換のワゴンを取りに行ってしまいました。そして、ガーゼ交換をしてパジャマを着替えて「もう一回寝るわ〜」と言ってまた眠ってしまいました。
 そして、2時間後・・・またパジャマが濡れている・・・で、ガーゼ交換をしようと思った看護婦さん、当直の先生を呼びにいった。当直の先生曰く「2時間でこの量は多いかな〜」と言いながら消毒して、ガーゼ交換。やっと、一人で座れるようになったはづハハは、何とか一人で座って朝ごはんを食べてました。
 9時。主治医の先生が来てくれました。傷口のガーゼ交換をしてくれました。そして、「そろそろ点滴抜こうかな〜」と言うことで、動脈に刺さってた点滴(左手)を抜いてくれました。そして、輝沙羅が上手く軌道に乗ってもし退院できたとしても、大変だと言うことを話してくれました。しかし、はづハハの考えは変わりません。とりあえず、今、輝沙羅は元気にしてると言うことで安心してくださいとのことでした。
 そして、11時。ガーゼ交換の時もまだ出血が続いてました。このとき、傷口が痛かったはづハハは痛み止めの薬(飲み薬)を処方してもらって、飲みました。 お昼には、薬が効いてベットで座れるようになってうれしくて起きてました。
 そして、お昼も食べて13時。またパジャマが血まみれになってました。ちょうど、看護婦さんが点滴を見に来てくれたので「また血まみれ〜」と言うと、看護婦さんはガーゼ交換をしてくれました。そして、看護婦さんが「また、血が出てきたらいつでも必ず言ってくださいね!」と言われたので、「は〜い!」と言って起きていました。しばらくすると、お腹の傷から「ドバッ」と出血した感じがしたので、ナースコールを押して看護婦さんを呼びました。すると、慌てて看護婦さんが来てガーゼ交換と着替えをしてくれました。しかし、もう、着替えがなくなってしまいました。仕方がないので分娩着を着ていました。午後からは、はづチチなりはづハハの母なり来るだろうと思っていたはづハハ。どっちかが来たら、買い物を頼もうと思っていたのに、なかなか来ない。
 3時のガーゼ交換。出血がかなりひどくなってきていて、起き上がる(座る)ことを禁止された。動かないように!と言われてしまいました。このとき、病院側ではかなりの大慌てだったらしい。昼から出血の量が倍になったようで、原因追求にバタバタしていたらしい。この日も、貧血のための輸血をしていたが、出血の量が多くて意味がない・・・
 そして、4時頃。はづハハの母がやっと来てくれた!「急いで手術帯と下着を買って来て!はづチチに言って、パジャマも買って来てもらって!」と言うことで、事情を説明して買って来てもらった。はづチチも到着したとたん、17時のガーゼ交換。はづチチは輝沙羅に会いに行ってました。出血は相変わらず・・・この時点で病院側は再手術の予定をしていたらしい。そして、成分輸血の点滴3本目を始めた瞬間、頭が痒くなったと思ったら、顔が、背中が・・・腕も足も痒い痒い!といってる間に、顔が真っ赤かになって腫れてきた。急いで、タオルで顔を冷やしてもらって先生も飛んできた。どうやら、たまたま3本目に入れた成分輸血が悪かったようでアレルギーが出てしまった。とりあえず、体中に蚊に刺された後のような湿疹が出て痒いの何の・・・でも、出血のために動いたらダメ!と言うこともあって動けないし。とりあえず、ステロイドの点滴で痒みを抑えてもらいました。
 さて、出血はまだ止まることなく続いてました。病院側は、初めての事例と言うことで大騒ぎだったようです。先生も、頭を抱えて、看護婦さんは顔を引きつらせながらガーゼ交換。はづハハというと・・・どこも痛くないし、痒みも治まった。ので・・・ゆっくりテレビを見て、はづチチと話をして、おやつまで食べていました・・・
 そして、夕食・・・持って来てくれた時点で、また傷口を見ることに・・・そして・・・手を付けてない夕食はそのまま持って行かれてしまいました。再手術の可能性が高くなってきました。ヘパリンの点滴を止めることになりました。先生の話では10時30分ごろ血小板が届くとの事。それを入れてみて、止まらなかったら再手術。原因は、昨晩から始めた薬と、昼前に飲んだ痛み止めだろうとの事。はづチチは、帰らない様に。そして、手術になってもいいように絶飲食にしてください。と言うことで、血小板が届くのを待つことに・・・絶飲食のはづハハの隣で、はづチチは甘栗を食べていた・・・
 21時ごろからはづハハのいてる個室は救命救急病棟のようにバタバタとしていました。そして、のんびりテレビを見てたはづハハに看護婦さんは「テレビ消してもいいですか!」といって、消されてしまいました・・・まるで、ドラマを見てるかのような緊迫した状況の中でのんびりとしていたはづハハ。そして、血小板が届き、早速点滴で入れてもらいました。そして、23時・・・無事、はづハハの出血は止まったのでした。
結局、出血の量は1.9リットルだったらしいです。そして、入院中の輸血の量は2.3リットルでした。「あの時はほんまに大変やってんから!」と今でも言われます・・・

そして、その次の日。はづハハはストレッチャーで面会にいくのでした・・・



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